『不厭晴民宿(Sunshine B&B)』
九份といえば、台北近郊の超定番観光スポット。ここのハイライトは、なんといってもぼんぼりに灯がともる夕暮れから夜に掛けての時間帯ですよね。でも台北っ子や在住日本人の中には「早朝の九份はすばらしい!」という声もよく聞きます。早朝も体験したければ、やっぱり宿泊するのがいちばん。
そこで日帰り観光が多い九份だけど、その魅力をもっともっと知ってもらうために、あえて九份で泊まってみることをご提案。
今回は、台北在住十数年、しかも過去にはゲストハウス事業をやっていたという、宿のことならおまかせ! のK氏が自分の足で探した九份のとっておきホテルをリポートします。
老街入口から徒歩2分、優良物件発見!
ここ数年、九份で宿泊する台湾や香港などの若い女性が増えている。そこでホテル予約サイトを開いてみると、九份だけで約100軒もヒット。すでに九份での宿泊は定番化しつつあるのかも。ただ、中には坂を登り切ったところにある不便な宿や、看板が分かりにくく、迷いやすい宿もちらほら。
さて、どの宿がいいだろう? まず、インターネットでよさそうな宿を5軒ほど絞り込んでから、実際に現地に出向き、オーナーの個性や宿泊環境を確かめ、九份でベストな宿を見つけに行ってみよう。
あらかじめ目星をつけていた宿を数軒訪ねてみた。バス停前で立地は抜群だが、女主人の対応が最悪だったり、商店街に隣接している清潔な民宿だが、道案内が分かりにくくて迷いやすい宿など、やっぱりネットの情報だけでは見えてこない。その中で、『九份老街』バス停から徒歩約2分、1年前に改装したばかりの「不厭晴民宿(Sunshine B&B)」という宿を覗いてみた。


中に入ると、若いスタッフがにこやかに対応。スタッフも気さくでやる気満々といった感じが好印象。全フローリングのロビーは、土足厳禁。靴を脱いでスリッパに履き替えたとたん、リラックス気分に。
広々としたロビーは、ライティングやインテリアもモダン。清潔感のある空間はセンスのよさを感じます。聞いてみると、オーナーは旅好きで、世界各地の宿を見てきた方だとのこと。これまで見てきた素晴らしい宿をイメージして設計をしたのだそうです。自分の理想を形にしようとする情熱が、この宿に凝縮されていたのでした。


部屋ごとに違うテーマ。個性的&おしゃれ&クリーン
客室料は税金込みでワンベッド2800元(1室)~、2ベッド3980元(1室)~で、共に朝食付き(※取材時の料金)。九份の中では平均よりやや高めですが、施設の新しさからみれば、コストパフォーマンスは高いと感じました。
部屋数は、4人房8室、2人房9室の計17室。ベッドはキングサイズで、2ベッドルームはファミリーで利用できるように3〜4人部屋と設定されていますが、2人で宿泊することも可能。ご夫婦やカップルなら、ワンベッドのキングサイズでもいいかもしれません。
さっそく部屋を案内してもらいました。最初に見たのは2ベッドのビッグサイズルーム。テラスも広く、海までさえぎるものがないビューが素晴らしい! 前には廟があるのも異国情緒たっぷりです。道路沿いですが、ここまでは騒音はあまり響いてきません。フロアも家具もウッディなムードを重視したデザイン。なにより床が広々していて開放的。
次は同じ2ベッドビッグサイズルームでも、バリをイメージしたという部屋。エンジ系の壁に籐のインテリアがリゾート気分盛り上げてくれる。こちらも窓からは海が一望できるナイスビュー。
私が気に入ったのは、次に見せてもらった2ベッドビッグサイズルーム。部屋には当ホテル自慢のガラス張りビュールームが。もちろん絶景が望めます。サンルームのようなテラス部分は、冬場で少し冷えるときでも暖かい。子ども連れのお客さんにもおすすめです。





フレンドリーなスタッフに甘えまくって、さらに部屋を見学。こんどは2ベッドのコンパクトルームへ。こちらはやや小さめの客室で、海側の景色が見渡せるバルコニー付き。2名利用にはちょうどいいサイズですね。ほかにマウンテンビューの2ベッドビッグサイズ、コンパクトルームもあるので、予約する際には、シービューかどうか確認を。一応、マウンテンビューの部屋も見せてもらいました。窓は広く、とても明るい。西日もささないので、けっして悪くない。コスパの高い部屋だと思いました。「景色は外を出て歩きながら」でもOKという方はこちらへ。



部屋の備品類は、歯ブラシ、ドライヤー、紙コップ、シャンプー、石けんと、ひととおり備わっています。ちなみにコーヒーカップはフロントでも貸してくれます。
少し気になったのは、シャワールームのガラス張り。抵抗がある人もいるかもしれません(私はまったく平気ですが)。それとデザインはモダンですが、やや排水がよくない感じでした。そのほか、無料Wi-Fi、液晶TV、エアコン(冷房のみ)、空気清浄器が完備。暖房はありませんが、寒い時はリクエストで暖房器具を貸してくれるそうです。
老街の入口まで徒歩3〜4分。セブンイレブン、ファミリーマートとコンビニも近くに2ヵ所、食堂もたくさんあって、ロケーションも抜群。ぜひおすすめしたい優良物件です!
ちなみに、九份は坂の多い街で、エレベーターのある宿が少ないため、部屋まで階段を登らなくてはいけないことを考えると、大きい荷物は台北に預けておくなど、なるべく軽装で訪れることをおすすめします。
九份は観光客がいなくなる夜8時以降は昼間のにぎわいがウソのように静まりかえります。夜遊びしたい人には、ちょっと退屈かも。その代わり観光客が立ち去った後の静かな九份もまた趣があります。ちなみに超有名な茶藝館「阿妹茶酒館」は深夜2:30まで営業しているので、ここでまったり過ごすのもありです。
朝霧がかかる早朝の散策や、午前中から近辺の山にハイキングしたりするのもおすすめ。おとなりの金瓜石や天燈(ランタン)上げで有名な十份、猫の街・候桐に行くなど、九份からひと足のばしてみるのもいいですね。
また九份のホテルで優良物件が見つかればご報告します!







【ホテルデータ】
不厭晴民宿(Sunshine B&B)
住所:新北市瑞芳區汽車路9-12号
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電話:02-24965577
【ホテルへの行き方】
バス停『九份老街』から、老街とは逆方向へ。バス停から見下ろすと、廟のオレンジ色の屋根が見えるので、それに向かって150mほど下り、左側(海側)にある赤レンガの建物。入口右の看板には「見晴」とあるが、この看板のホテル。
【不厭晴民宿(Sunshine B&B)の予約】
【九?の行き方】
台北市内から九?へはバスで行くのが一般的だが、台鐵台北駅から列車で瑞芳駅まで行き、そこからバスで九?までというルートもある。バスの方が乗り換えもなく、直行で行けるのでおすすめ。バス:MRT忠孝復興駅2番東側出口(復興南路一段側)を出て、右にある「捷運忠孝復興站」のバス停から『基隆客運1062番』の金瓜石行きバスに乗車。料金は『九?老街』まで片道98元。所要時間は約1時間10分程度。
注)九?・金瓜石行きバス停は、2017年4月1日からは、MRT忠孝復興駅2番東側出口に移転しています。(基隆客運ホームページ)
台北のバスはおつりが出ないので、小銭を事前に用意するように。悠遊カードなら割引もあり、おつりの心配もないのでこちらがおすすめ。
MRT忠孝復興駅出口周辺やバス停周辺には、タクシーの運転手が勧誘してくることもある。妖しいタクシーもいるので要注意を。
列車:台鐵台北駅から瑞芳駅まで。料金は片道49元(普通列車)、59元(?光號)、76元(自強號)。瑞芳駅から825番、788番「金瓜石」行きバス利用で、バス停「九?老街(舊道)」まで片道15元。
●?バス停位置MAP
●?台鐵時刻・料金表HP(日本語)