台湾の隔離ホテル滞在の現状①
Case1 台北市内 世聯商務会館
ごぶさたしています。歩く台北編集担当のKENZOです。1年ほどの日本滞在を経て、久々に台湾に戻って来ました。海外旅行がまだ規制の多い中、それでも台湾に戻らなくてはならない方、ビジネス急務のために現場に飛ばなくてはなからない方、さまざまだと思われます。
7日間ホテル滞在、と言っても条件付きです。7+7+7の場合、同居する家族全員が隔離扱いになりPCRを強要されるのです。同様にホテル10日+自宅4日も選択できます。
そこで、今、台湾渡航を計画される方へのメッセージも兼ねて、隔離ホテル滞在のいくつかの体験ケースをレポートして、歩く台北編集部としては、どこの隔離指定ホテルをすすめるのか、ということをお話ししようと思います。
ベーシックは3食付で1泊2500元(1万円)
私が台湾に帰る日を決めたのが11月末。9月に入って隔離2週間を覚悟してオフィシャルなサイトからホテルを決めようとした。当初は空港に近く交通費も安くなりそうな桃園市内も検討したが、隔離タクシーの価格が北部で一律なのを聞いて、台北市内に決め、せっかくなので自分の知るエリアで私の奥様が勤務する会社の近くであれば、差し入れなどは楽に頼めるだろうと、MRT松江南京エリアに決めた。
ホテルへ直接予約して決めるのがベストだが、中国語や英語に自信がない場合は、旅行会社を通して予約の方が、自分のリクエストを伝えやすいかもしれない。その際にぜひ環境のチェックをしてもらいたい。でないと旅行社からランダムに振り分けられる可能性もあるし、チェックインしてから文句を言っても「そういうリクエストがなかったですから」と言われるだけだ。
チェックのポイント
①窓の有無、窓の大きさ、窓は大通り側か壁側に面しているか
②食事はホテル内のキッチンで作られるか、外部の食堂からの弁当か
③シャワートイレ、浴槽の有無。(浴槽のある部屋は少し高くなる可能性もあり)
④隣室の生活音が聞こえるような薄い壁ではないかどうか。
⑤自分が必要とする備品が備え付けられているかどうか。コーヒーなどの嗜好品、飲料水はどの程度提供されるのか、など。
などであるが、数人の方の利用状況を聞いていると、通常生活とは違うものであると、個人的にストレスがたまるものなので、チェックした上で、自分で用意していきたい。
「窓なし」でケチって大後悔。「窓付き」で逆転快適生活。
私の予約したのは「世聯商務」。三食付で2000元と、安い方であったので、安易に決めてしまったが、後悔することになる。昼間と夜の境が分からないのは、人間にとってはずいぶんストレスになることを気づかなかった。
6階の私が入った部屋は、WIFIや携帯の電波も具合がよろしくなかったため、3日目で窓付の部屋に変更願い、6日目から窓付のツインに変更できたが、室内も広く、ソファーもある、陽あたりのいい風が通るスイーツ風だった。これで追加料金はたった500元。これで残りの10日間を快適に過ごせたのだった。
「食べたいものリスト」を提示したら、それなりに成功する
ビジネス風の隔離施設は3000元が平均で、施設の快適度も大同小異なのだろうが、スタッフの対応によっても印象が変わってくると思ってので、私は少し過剰な申し入れをして、どんな対応をしてくるか、試みた。
台北に向かう畿内で考えたことが、隔離の15日間、45食をリストにすることだった。京鼎樓の小籠包、富覇王の豚足、鶏肉飯、魯肉飯、広東粥。。思いつくままに書いてスマホに入れておいたのを、ホテルのスタッフにつながっているLINEのメッセージとして送った。
すると次の日にステッカーでひとつのメッセージが入る。「ご要望の鶏肉飯は、週末は休みのため、平日にお届けします」お、これはいい兆しだなと思っていたら、確かに月曜日に鶏肉飯が届く。それからも豚足、牛丼、炒飯、広東風三寶飯、モスバーガーなど、リストに入れた料理が次々と届くことになる。
そのほか、ことあるごとに、リクエストをしてみたが、45食リストのインパクトが大きかったのか、知り合いに渡したい荷物をフロントにおいてもいいかと尋ねると「今回だけですよ」、電子レンジでこれを温めてください、で「例外的ですが」とかいって私の我がままをのんでくれた。これは大きなストレス解消にはなった。
そしてせっかく隔離ホテルをレポートするのだから、周囲のホテル環境も調べようと、直接ホテルの予約係に電話を入れて聞いてみた。日本人に人気の台北駅前のシーサーパークはレストランを持っているので、厨房から隔離食が出てくると予想して、問い合わせた。すると案の定、食事は朝食以外は厨房のシェフが組み立てたものが任意に用意され1泊3700。さらにデラックスプラン5000元なら昼と夜は17種類をメニューから選択できる、とのことだった。全300室の中には浴槽のある部屋もあり、リクエストもできるそうだ。
利用するホテルのエリアを吟味することも大事
今回、私は配給弁当のバラエティが豊富にありそうな松江南京エリアを選んで、幸運にも比較的良心的なホテルに滞在できた。では、ほかのエリアはどうだろうか。
オススメエリア① MRT中山、雙連、民権西路エリア
日本人には最も快適に過ごせる可能性が高いのがこのエリアだ。まず、日本人駐在員が多いので、和食店が充実していること。弁当に日式の焼き魚や、油を抑えた惣菜が多いことも予想される。
また、林森北路の繁華街エリアのオレンジホテルに差し入れをした方の情報によれば、ここはお酒の差入れを許してくれたのがありがたかった、との話だ。また、コダックホテルにはベランダがあって気分がいいとのこと。もちろん隔離中はベランダの外に出てはいけないのだが、外世界に通じている場所があるだけでも癒される気分になるようだ。
オススメエリア② MRT台北車站、西門エリア
やはり、どこに行くにも便利な場所が新幹線の発着駅でもある、アクセスのいい台北駅だ。Qモールの周辺、重慶南路周辺などに多くの中小ホテルがあって、隔離専用に指定されているホテルも少なくない。
周辺には弁当店や、小さな食堂が密集している城市市場もあるため、食事のクオリティは問題なさそうだし、デリバリーの優秀店も見つかりやすそう。が、このエリアのひとつのホテルに子連れで宿泊した女性の話によれば、隣との壁が薄いらしく、隣室から、寝られないのでなんとかしてほしい、などとクレームを入れられた、というのだ。確かに、台北駅周辺のホテルは、雑居ビルを改造して造られたような、隔壁が薄いビルも少ないことを考えると、一棟建のビルで、四方を別のビルで囲まれているようなホテルは避けたほうがいいし、壁の厚さも確認した方がいいかもしれない。
101ビル付近に隔離宿泊した日本人によれば、サービスはあってないようなもので、スタッフはやっつけ仕事で隔離客に対応している、と感じる施設もあるようなので、旅行社を通して予約をする際は注意が必要だ。
ほかにも、桃園空港周辺で隔離はどうか、とか、いっそのこと台中、高雄方面や離島で隔離、などと考える方もいるかもしれない。
さすがに離島は現在、コロナヘブンの場となっているため、隔離客に宿泊してもらう酔狂な宿はないかも。かえって山間部の静かなホテルなどが指定されている可能性があるが、PCR検査を受けるときに、タクシーを呼んで遠い病院まで赴かなくてはいけない、などということを考えると、現実的でもない。
未確認情報では、台南市内に隔離する者は、ホテル隔離中でも1日4時間までの外出時間が認められるなど、隔離訪問客に寛大な自治体もあるようだ。また、家族を病院に見舞いに来た隔離客に対しては、1日1回の病院への外出を認める、という特例も作っている。
色々な情報を確認した上で、快適な隔離生活を送ってください。