場所は市内の中心から20分ほど北側に離れた天母という山の手にあります(MRT芝山駅からタクシーに乗るのが最適)が、それでも行く価値があると思ったレストランでした!
創業は実に70年前にさかのぼり、現在のシェフは3代目。彼にとってはおじいさんの代にお店が産声を上げ、お父さん、そして自分と、店の看板と秘伝のレシピを守り続けての、ミシュラン1つ星を獲得となりました。
台湾料理は家庭料理的なものが多いので、確かにレストランで食べてもお値段がお安くてもおいしいという側面もありますが、こちらのお店は「よそ行きの台湾料理」とでも表現したらいいかなという感じで、他のお店に比べ多少値段が上でも、コストパフォーマンスはかなり高いと、私個人は太鼓判を押させていただきます!
では今回オススメされた料理をひとつずつご紹介していきます!
蓬萊排骨酥
こちらも秘伝のタレに付け込まれ、サックサクに揚げられたスペアリブフライです。
一口頬張ると、柔らかい肉から溢れる肉汁が口いっぱいに広がります。
アツアツもおいしいですが、じっくり味わいたい方は少し置いてからいただきましょう。
それでもサクサク感は決して失われていません!
干貝蚵煎
台湾と言えば、牡蠣オムレツですよね。
スターチで伸ばした卵の生地は、焼いてもプルプルッとした食感で、それが人気の秘訣にもなっていますが、こちらの牡蠣オムレツは、卵焼き色がとても強く、さらにホタテの貝柱がごろごろと入っており、夜市や街中の食堂で食べるようなチープ感はみじんもありません!
70年受け継がれた自慢のソースをかけていただきましょう。
炒水蓮
日本ではほとんど見かけない水蓮ですが、台湾では最もポピュラーな野菜料理のひとつに数えられます。
私たちにはなれない食材だけに、お店によっては、少し土臭かったり、堅かったり、とハズレをひいてしまうと、残念な印象を残してしまいますが、こちらでは細く柔らかい水蓮を使用しており、炒めてさらに甘味が増し、シャキシャキの食感もたまりません!
こんなおいしい野菜があるんだ!と感動すること請け合いです。
香炸芋條
蒸してからつぶし、甘味を付けたタロイモのデザート。
サクサクっとした衣の中には、モチモチのタロイモが。
サクサク!モチモチ!の食感で、美味しくないわけがありません!
烏魚子炒飯
高級食材であるカラスミと金華ハムをふんだんに使い、ひとくち口に入れた瞬間に広がる濃厚なカラスミの風味と食感がたまりません!
一皿の盛りも大きいですので、小サイズでも4~5人でいただけますよ。
佛跳牆
スープを食す文化を大切にする台湾。
とりわけこの、俗にいう「ぶっとびスープ」は、お正月に食べられる台湾料理として知られ、受け継がれた秘伝のレシピを守り抜くこのお店でも看板メニューとなっています。
壺の中をすくうと、これでもか!というほど、じっくり煮込まれたスペアリブ、干し貝柱やナマコ、しいたけ、タロイモ、栗、棗など、12の具材が次々に現れます。
いくらでも飲み続けられそうなくらい、うまみが凝縮したスープです!(前日までに要予約)
百片放山雞
肉質は硬すぎず柔らかすぎず、厳選された素材を使用しているという、シェフ自慢の一品とのことでいただきました。
まさにその通り、本当にジューシーで、鶏肉のうまみがぎゅうっと凝縮されています!!
つけダレにもこだわっており、いくらでも食べられてしまう勢いで、蒸し鶏好きの人にはぜひとも試していただきた逸品でした。
とにかく、電車とタクシーを乗り継いでもぜひとも訪れていただきたいお店です。
オーナーシェフの妹さんで、お店のマネージャーもしているリリーさんは日本語が堪能ですので、日本の方でも安心して過ごしていただけると思います。
三代続く家族経営の台湾料理レストラン、伝統の味を守り続けながらも、決して同じ場所に留まろうとはせず、革新を続けていこうとするシェフの、料理に対する愛を強く感じました。
2年半に及んだ台湾生活の中で、私にとってはイチバンおいしかったと思える台湾料理のお店となりました!
金蓬莱遵古台菜餐庁
住所 : 111台北市士林區天母東路101號
電話 : +886 2 2871 1517