マンダリンホテル3階にあるお店に足を踏み入れてまず驚くのが博物館のようなインテリア。
世界的に有名なデザイナー、トニーチーによって手掛けられた洗練された空間です。
香港の老舗である旧福臨門から引き抜かれて来た名シェフ謝文氏が50年近くの伝統中華料理の経験を生かし考案されたメニューの数々。
「伝統的で素晴らしい広東料理を提供する上で一番大切なのは、最高級の素材を選ぶこと」をモットーにしているとのこと。
①局釀鮮蟹蓋 カニ肉のオーブン焼き
蟹を形どった銀の容器(特注品だそうです) にまずはアッと驚きます。その容器の中に食欲をそそる黄金色が。
これでもかというくらいカニ肉がぎっしりと甲羅に詰め、パン粉をのせこんがりと焼かれた満足の一品です。
添えられた黒いゼリーのような粒はバルサミコ。
爽やかな酸味が更に蟹の美味しさを引き立て、絶妙な取り合わせです。
②油香烏魚子 焼きカラスミ
お皿がお花畑のように彩られていて、まず目を楽しませてくれます。
カラスミの焼き加減が抜群で美しくカットされた大根とニンニクと共にいただくとカラスミの粒々が口の中にふわっと広がります。
③慢燉烏雞湯 烏骨鶏のとろ火煮込みスープ
毎日数量限定のスープ。
台湾では栄養補給としても重宝されているチキンエキス。
濃厚なチキンエキスにミネラルたっぷりのブラックソルト、ピンクソルトを加えると旨味が更に増します。
④鴛鴦龍蝦餃(ロブスター蒸餃子ブラックトリュフ、ツバメの巣のせ)
こちらも見た目の美しい一品。
もちもちの蒸し餃子の中にはロブスターがふんだんに入っていてぷりぷりの歯ごたえ。
更に香り高いトリュフや燕の巣がその美味しさを引き立ててくれます。
⑤蜜汁叉燒 鹿児島黒豚の蜂蜜風味仕立て
炭火入りの鉄板で登場。
いかにもつやつやでおいしそうな様子。
そのひと切れがとにかく分厚い!
大きな一切れを口に入れるととろけんばかりの柔らかさに思わずため息です。
冷めてしまっても美味しい!と気付き感激していたら「本物の良い素材を使えば実は冷めてもおいしいものなのです」とのことでした。
⑥鮑魚燒賣皇 蝦と豚肉入りシュウマイ、オーストラリア産アワビのせ
ぶつ切りの蝦が贅沢に入っており、シイタケと豚肉とのバランスが良くプリップリの歯ごたえに丸ごとアワビが載っており食べごたえがあります。
⑦冰鎮咕嚕黑豚肉 鹿児島黒豚とフレッシュパイナップル入り酢豚
夏限定メニュー。
酢豚が盛られたパイナップルの器は、ドライアイスの煙とともに食卓に現れ、涼しげな演出が驚きとともに目を楽しませてくれます。
あえてアツアツではなく、温度を抑えてあるのも夏メニューの演出のひとつ。で、豚肉はサクッふわっと柔らかく、パイナップルの新鮮さが爽やかな一品です。
ちなみに温かいタイプの酢豚は年間通して楽しめます。
マネージャーの王仁瑀さんに今回のミュシュラン獲得についてお話を伺うとマンダリンオリエンタルホテルグループは全体で15軒のレストランが合計で22の星を獲得しているとのことで、雅閣は今回の1つ星にも不満なようで、来年は2つ以上、と目標を新たにしています。
王さんに他の星付きミュシュラン店は行ったか尋ねると「行った中では頤宮(君品酒店・3つ星獲得)は美味しかった、でもウチは更においしいです」と自信の笑顔。
その自信の陰には常に最高級の食材を求め、その素材を活かし、雅閣でしか味わえない料理を提供し続ける努力があるとのことでした。
贅沢な空間の中で目で楽しみ舌で満足。大切な記念日や接待にチョイスしたいお店です。