【バス旅DATA】
路線:臺北客運706(捷運西門站-三峽二站)、 702(三峽一站-板橋公車站(捷運板橋站))
乗車ルート・運賃:706:捷運頂埔站→礁溪里、702:三峽國中→陶瓷博物館 15元/1回
乗車時間:1日(観光時間含む)
※運航時間・運賃・路線は変更される場合があります。
【バス旅ポイント】
①三峽祖師廟は見る価値あり!
②美しい三峽老街は買い物も楽しめる!
③陶器の街・鶯歌ではアートにも触れられる!
⇒ 台北市バスの概要
頂埔站からバスに乗り、地元で人気の小吃で腹ごしらえ
今まではMRT永寧站から三峽(サンシャア)行きバスに乗っていたが、2015年7月にMRT板南線の最終駅がひとつ先の頂埔站まで延びたので、ここからバスに乗ることにした。ちょっとだけ三峽が近くなった感じだ。頂埔站に降り立つと新しいこともあり、キレイで天井がかなり高くつくられた構造になっていた。4番出口から出ると向かいに大きな建物。日本のシャープを買収した鴻海だ。気持ちよく晴れた青空の下、バス停にてバスを確認。そうこうしているうちに706のバスが来た。それに乗り込み出発。街の風景から緑が増えて、だんだんと田舎の風景に変わる。
三峽老街(サンシャアラオジェ)近くに人気の小吃(おやつ感覚の軽食)があると以前台湾の友人に聞いていた。この機会に行ってみることに。降りたバス停は三峽老街のひとつ手前の礁溪里(ジャオシーリ)。目の前にある大きな通りを渡り、そのまま李梅樹紀念館の看板を目指して大通りを進み、三峽老街の看板を右折。小学校の手前の角にあるのが『海爺 四號乾麵店』(新北市三峽區光明路5号)。ここの看板メニュー紅油皮蛋麵がお目当て。店の中は地元の人たちでいっぱい。席も空いていなかったが、ひとりで座っているおじさんがいたので、相席させてもらうことにした。
紅油皮蛋麵(小)と榨菜肉絲湯(小)、香菇滷肉飯(小)をたのんでみた。トータル130元の庶民価格がうれしい。注文したものはすぐに運ばれてきた。紅油皮蛋麵は思っていたよりもピリ辛でスープやご飯ものを一緒にたのんで大正解。お腹も満たしたし、メインの老街へと向かう。
石柱が美しい三峽祖師廟とレトロな街並み三峽老街
店の前の通りを進むと長福橋と記された華やかな中華式の門が見えてきた。ここから三峽老街に繋がる。橋の上からは山や川が見え、橋に沿って何軒かの涼亭も設置され、とても癒される景色。突き当たりまで行くと三峽祖師廟(サンシャアズゥシミャオ)が見えてきた。この廟は百年以上の歴史があり、彫刻が施された石柱が台湾でもっとも多いといわれていて、その美しさと相まって人気の観光スポットになっている。門をくぐり、奥の階段から2階に上がり、柱に刻まれた鳳凰や龍などの素晴らしい石の彫刻をしばらく鑑賞した。
三峽老街は赤レンガのレトロな街並みがとても美しい。ここは客家人が中国大陸から渡ってきた初期の時代に、住みはじめた場所とも言われている。各店の看板や下水溝の蓋などもおしゃれにデザインされているのが印象的。
老街を散策しはじめ、気になった店に次々と入ってみる。その中でもひときわ目を引いたのが『茶山房』(新北市三峽區民權街79号)という石けんの店。三峽のここが本店だ。現在は3代目の林(リン)さんがオーナーで、昔ながらの手づくりオーガニック石けんを販売している。2階部分が吹き抜けになっていて、中国語で石けんを意味する肥皂(フェイザオ)の皂(ザオ)と書かれた提灯がぶら下がっていた。店内はスッキリ見やすく商品がディスプレイされ、居心地がいい。いろいろな種類の石けんを試せるように、手を洗う場所があるところなど、細かい気づかいも好印象。三峽特産の碧螺春綠茶や台湾で採れるハーブを原料としたオーガニック石けんは、身体にも顔にも使え、パッケージもおしゃれ。お気に入りの1軒にリスト入り!
ぶらぶら歩いていると『勇伯豆花』(新北市三峽區民權街139号)の文字が見えた。店のオーナーが店頭で呼び込みもしていたので、入ってみることに。綠豆、薏仁、珍珠などすべての具材が入った総合豆花をオーダー。出てきた豆花にはかき氷もこんもりのっていて、食べるとスーッと暑さが引いていく。
ろそろ次の目的地、鶯歌(インガー)へ行くため、老街を離れることに。
陶器の街を代表する「鶯歌陶瓷博物館」
三峽國中のバス停から今度は702のバスに乗る。三峽の街の中を抜け、大きな橋を越えたところに陶瓷博物館のバス停がある。バスの窓からは、さきほど大きな橋の上から見たときよりも広い川と山の景色が望めた。
バス亭の向かい側に渡り『鶯歌陶瓷博物館』に。モダンなエントランスをくぐる。中に入ると1〜3階まで吹き抜けになった大ホール。この建物はガラス張りになっているので、さらに開放感がすごい。3階から見学することにした。大型の企画展を定期的に入れ替えている展示室。色とりどりの花瓶や複雑にデザインされた茶器、素朴な柄のお茶碗やお皿などの陶器が整然と展示されていた。2階は常設で台湾陶磁器の発展や特徴、先史時代や先住民、現代の陶芸、手で触って陶磁器を体験できるコーナーなどがある。地下1階にあるのは「彩雲呈祥」と題されたアートで、台湾の作家・劉鎮洲(リュウジェンジョウ)氏のもの。太陽の光に照らされた、カラフルな雲が水面に反射して優雅に浮いている様を表した作品だが、この日は残念ながら池に水がなかった。それでも見ていて気持ちのいい作品だった。
陶器を手に入れるなら鶯歌老街で!
博物館を出て、鶯歌城(イーガーチャン)と書かれた高架下をくぐり抜け鶯歌老街へ。坂を上がったところが老街だ。すでに夕方に差し掛かっていたので、通りの両側のヤシの木が夕日に照らされてキラキラしていた。ここは陶器のお店がズラリと並んでいる。
まず気になったのは店の外に置かれていた米びつ。日本では見かけないタイプのものだ。釜飯に付いてくるような木の蓋に陶器で出来た丸い浅めの壺。梅や笹の絵柄に「福気」や「招財」、「満」などおめでたい文字が書かれていた。思わず買って帰りたくなったが、結構な大きさなので諦める。気になった店に次々と入ってみた。価格も抑えめのものがたくさんあるので、掘り出しものを見つけるにはとてもいい。自分用やお土産用に箸置きやお茶碗、湯飲みなどを手に入れた。お店の人に飛行機に乗せることを伝え、しっかりと梱包してもらった。
ショッピングもそろそろ切り上げて……、と思った矢先に現代アートをショウウィンドウから覗かせる店を発見。迷わず扉を開けた。中に入るとやわらかな光で照らされたアート作品が何点かあった。この『陶華灼藝廊 THZ GALLERY』(新北市鶯歌區尖山埔路70号)は、台湾や日本の若手アーティストの作品を取り扱っているとのこと。とてもハイセンスで個性的な作品に出合え大満足。向かい側にも同系列の店があり、覗いてみると、日本語の話せる店員さんがいてその場が和んだ。「またお越しくださいね〜」と手を振られ、夕暮れ時の老街を後にした。