【バス旅DATA】
路線:大南汽車266/市政府 – 新北投
乗車ルート・運賃:世貿中心(莊敬)→北投公園 15元/1回(一段内)、30元/1回(二段まで乗車の場合)
所要時間:半日(観光時間含む)
※運航時間・運賃・路線は変更される場合があります。
【バス旅ポイント】
①市内を縦断するから観光にも便利な路線!
②信義エリアは世貿中心(莊敬)から乗車でショートカット!
③バス車内で無料Wi-Fiが利用できる!
④北投温泉の博物館等を見学するなら早めの時間に!
⇒ 台北市バスの概要
出発点は台北の象徴「台北101」からスタート!
午前中は台北101周辺をブラブラした。さて、昼ごはんをすませたらどうするか。そう考えていると、行き交うバスが目についた。そうだ、バスに乗ってみよう。市内を横断&縦断、そして途中下車しながらのんびり北投温泉(ペイトウウェンチェン)に行ってみることにした。
大南汽車の路線266は黄色い車体が目印の市政府から新北投までを走る市民の足だ。捷運市政府站を出ると、ぐるりと信義エリアをまわって中山方面、北投温泉へと抜けるから実は市内の名所へのアクセスにも便利な路線。本来は起点の捷運市政府站からの乗車の方が分かりやすい。でもここからだとちょっと時間のロス。そこで四四南村(スースーナンツン)の脇にある世貿中心 (莊敬)バス停から乗ることに。
悠遊カードをかざして席へ。車内は小ぎれい。車体は低いノンステップバス。代わりにタイヤの上の座席は一段高い場所にあり、ヨイショっと上る。後ろの方には向かい合わせの座席もあり、なんだか列車のボックスシートみたい。ちょっとした旅気分が味わえるのだ。
衛兵が守る國父紀念館と新旧交錯の松山文創園區
最初の目的地の國父紀念館は4つ先。ブザーを押してみる。ほかに降りた人はいなかった。
國父紀念館は中国近代革命の父である孫文を称えて建てられた記念館だ。台湾らしいダイナミックなつくりの館内には孫文像が安置され、それを守る衛兵たちが正時ごとに交代する儀式は観光名物のひとつとなっている。ほかにも敷地内の中山公園は市民の憩いの場となっていて、お年寄りがベンチに座っている横では、小さな子供が走り回っていた。
國父紀念館をひと通り見てまわった後は、歩いて5〜6分の距離にある松山文創園區へ足を延ばす。こちらは元タバコ工場跡地をリノベーションしたアートスポットで、展示施設やショップ、カフェなどがある。敷地内の臺北文創大樓にある『誠品生活松菸店』は、本だけでなく雑貨や衣類なども扱う台湾のオシャレ発信基地。お土産探しにのぞいてみた。
ショッピングとカフェ休憩なら四平街に赤峰街
散策を終えて光復南路にある最寄りのバス停、捷運國父紀念館站へ向かい、再び266に乗車。だが10分以上待たされてようやく来たバスは混んでいた。仕方がないのでバスの中ほどに立って車窓から外の景色を眺める。ビルとバイクと黄色のタクシー、それが台北の風景だった。すると丸い大きな建物が見えて来た。小巨蛋(台北ドーム)だ。国内外の多くのアーティストはここでライブを行なう。今日はイベントがない日なのか、ひっそりしていた。
気付けばバスは道路中央にあるバス専用レーンを走っていた。中心部のいくつかの幹線道路はこのように専用レーンを設けて渋滞を解消しようとしているが、結局バスは列車のごとく連なっていた。効果のほどはイマイチのよう。
捷運松江南京站で降りてみることに。ここからすぐの四平街陽光商圏はグルメ、ショッピングと近隣のOLさんたちに人気の店が並ぶ商店街で、私も地元っ子よろしく歩いてみる。価格は庶民的、商品も庶民的。だが残念ながら気になる商品はなかった。ただひとつ、豚足の有名店『富霸王豬脚極品餐廳』(フーバーワンツージャオジーピンカンティン・台北市南京東路二段115巷20号)からただよう匂いに引き寄せられたが、まだおなかはすいていなかったので今回はパス。
先ほどのバス停に戻り、路線266ツアーを再開。3つ先の捷運中山站で下車した。中山エリアは日系デパートやショップが集まるショッピングエリア。路地裏にはかわいらしいカフェも多い。バス停から北へ延びる赤峰街(チーフェンジェ)というストリートはその傾向が強く、個性的なMIT(Made In Taiwan)のファッション、雑貨、アクセの店が点在している。ちょっと疲れたからひと休み。お気に入りの捷運雙連站近くの『冰讃』(台北市雙連街2号)へ。お目当ては、春先から秋ごろまでの期間限定で味わえるマンゴーかき氷。ここに来たらやっぱりこれを食べないと!
嬉しいサービス発見!車内でも無料Wi-Fiが!
店を出て承德路まで歩き、民生西路口のバス停から266に乗る。すると車内に貼られたTPE-Free Wi-Fiのステッカーを見つけた。このバスは無料でWi-Fiが使える車種のようだ。試しにつないでみるとTPE-Free Busに接続された。さっそく次の目的地の情報をチェック。
ネットに夢中になり、ふと気づくと士林夜市の辺りを走っていた。にぎわいを増すにはまだまだ早く、ようやく屋台がちらほらと準備を始めたところ。下車せずにそのまま先へと急いだ。また後で立ち寄ることにしよう。
バスはぐんぐん北上する。私のように長距離で乗っている人はあまりいなかった。ほとんどの人が途中で乗っては、降りて行った。そしてバスは広い幹線道路へ。少し道も混み合ってきたようだ。
北投で温泉 シメは士林夜市で食いだおれ
やがてバスは北投へ。北投公園バス停で降りると、目の前がもう北投温泉の入口だ。小さな川、遊歩道、そこに温泉旅館が並ぶ。それらに混じって温泉博物館や梅庭、地熱谷といった観光名所も多数あり、散策だけでも楽しい。でも、今日は来るのが遅すぎたようだ。施設の大半は17時まで。なので、私は温泉を楽しむことに。高級ホテルの大浴場、公共の水着着用露天風呂、入浴施設のみの温泉銭湯と、いろいろあるが、温泉街を離れて『北投青磺名湯』 (ペイトウチンファンミンタン・台北市北投區中央北路一段12号)へ向かった。 先ほど車窓から見えた温泉だ。
北投温泉には青硫黄和泉、白硫黄泉、鉄硫黄泉の3つの泉質があるというが、こちらは青硫黄泉。世界的にも大変珍しい秋田県の玉川温泉と、ここ北投でしか産出されない北投石の天然ラジウム温泉だ。皮膚病や筋肉痛、はたまたガンにも効くかも? とささやかれる湯は強酸性硫黄泉でピリピリと痛いほど。男女別の裸で入れる大浴場もあるが、今回はのんびり個室を選んでみた。だが洗い場と脱衣所が一緒なうえに、ちょっぴり暗い。ビル内にあるので景色も望めない。なんだか日本の温泉とはだいぶ趣きが違うが、湯は最高。ピリピリが身体に効いている気がする。湯から上がったら温泉魚 (ドクターフィッシュ)も楽しめた。
さっぱりしたところで温泉の目の前にある北投國小バス停から元来たルートを逆戻り。目指すは先ほど通り過ぎた士林夜市。捷運劍潭站バス停で下車すると、すでに多くの人と屋台で大にぎわい。台北版なんちゃって「はとバス」ツアーの最後は、士林夜市で食べ歩き! 台北の夜はまだまだ長い。