【バス旅DATA】
路線:欣欣客運236(臺北車站(開封)- 東南科技大学)
乗車ルート・運賃:臺北車站(開封)→猫䌫動物園站 30元/1回
所要時間:半日(観光時間含む)
【ロープウェイDATA】
路線:猫空纜車(動物園站-貓空站)
乗車ルート・運賃:動物園站-貓空站 120元
※運航時間・運賃・路線は変更される場合があります。
【バス旅ポイント】
①台北市内の途中下車が楽しい路線!
②『南門市場』の散策が楽しめる!
③ゴンドラからの景色が素晴らしい!
④眺望のいい茶藝館で台湾茶を堪能!
⇒ 台北市バスの概要
猫空の前に途中下車して『南門市場』をぶらつく
私は台北市の南に位置する木柵エリアに長く住んでいるので、自宅近くまで行ってくれる路線236の常連客なのだ。しかも、おしゃれな茶藝館が多い猫空(マオコン)も私にとっては庭のようなものなので、今回は路線236からロープウェイに乗り換え、久しぶりに猫空まで足を延ばしてみることにした。
路線236のバスは台北駅前の臺北車站(開封)バス停が出発地点。「華華大飯店」近辺のホテルに宿泊の人は、バス停が近いのでここからの乗車が便利だが、やや分かりにくい場所にある。台北駅Z4出口を出て、館前路を南下。1本目の通りの開封街一段を右に曲がり、懷寧街を通り過ぎ、20メートルほど行った右に、ちょこんとバス停がある。この路線は、最初はMRT松山新店線ルート沿いに南下していくので、MRT台大醫院站や公館站に行って、そこから路線236に乗車することもできる。不安な人にはこちらの方がおすすめだ。
臺北車站(開封)バス停を出たバスは、総統府前の通りや中正紀念堂の前を通過する。この路線の最初のポイントはここ。中正紀念堂南側の『南門市場(ナンメンシーチャン)』も通過するので、捷運中正紀念堂站(勞保局)バス停で降りてみよう。「労工保険局総局」の建物を通り過ぎ、南海路を渡ると『南門市場』だ。この市場はつくりたての粽子(ちまき)や包子(蒸しまんじゅう)、惣菜などを売る店が多く集まる活気のある台湾の伝統市場。乾物などは試食できたりするので、ちょっとつまみ食いしながらぶらつく。スパイシーな猪肉乾(ポークジャーキー)や、カラスミなども手ごろな値段で売っている。上階にはちょっとした屋台風のフードコートもあったりする。
夜明けから8〜9時ごろまでは、中正紀念堂の公園サイドで太極拳や朝の体操にいそしむ人たちに出会えるので、早起きをして散策し、市場で朝食、というのもいい。
路線上に点在する台北の名門大学巡りも楽しい!
バス停に戻って、ふたたび路線236に乗車。通りの名称はアメリカの大統領の名を冠した「羅斯福路(ルオスフールー・ルーズベルト通り)」。両側6車線の広くて気持ちのよい幹線道路だ。バスレーンを走るので、渋滞はほとんどなし。捷運台電大樓站バス停を通り過ぎる。このバス停は、師範大学前の通りにあり、『師大路夜市(シーダールーイェースー)』が有名。それから5分ほど先に行くと、左側が広く開ける。これが台湾大学のキャンパス。捷運公館站バス停で下車してみる。
このキャンパスは大王椰子が連なり、春先はツツジの咲き乱れるきれいな散歩道になっていて、一般の人も入れるのから、週末は家族連れなどでいっぱいになる。カフェや飲物を買えるスタンドもあるので、散歩道としておすすめだ。途中の売店で行列ができている。聞いてみると、限定販売の大学構内の農場でつくった牛乳を買いに来た人たちだという。20元のアイスクリームも濃厚でおいしいので、ここにくるといつも手が伸びてしまう。
小一時間ほど散策して、バス旅の続きを。しばらく住宅街を走り、MRT萬芳醫院站を通過。細々とした通りを右折左折して、木柵市場を通過した後、政治大学前を通る。このキャンパス内も自由に出入りできる。台湾大学ほどの歴史はないが、周囲を山に囲まれた美しいキャンパスと大学通りを散歩するのも一興。
ゴンドラからの絶景と、茶畑がない台湾茶発祥の地
そしてバスは貓纜動物園站バス停に停車する。パンダやコアラに人気が集まる『台北市立動物園』。ここに入ると半日かかってしまうので、今回はパス。猫空行きの猫覧(マオラン)ロープウェイターミナルは、バス停の目の前。週末は少し並ぶこともあるが、平日なら余裕で乗ることができる。こちらもバス同様、悠遊カードが使える。ゴンドラは森の中へ吸い込まれていく。何度乗ってもゴンドラから見る台北市内の景色は素晴らしい! 15分ほどでゴンドラは途中駅の指南宮(ジーナンコン)を通過。ここに道教のお寺があるが、台湾の人は信心深いので、ここで降りてお参りをしてゆく人も多い。
ゴンドラに乗っていて気づくのは、「お茶の郷」というわりには、終点の猫空站近くまで茶畑は見かけない。実はこの一帯が茶畑だったのは、200年以上前のことで、今では土地が痩せてしまい大生産地はすでに別の地域に移ってしまっているのだ。とはいっても、鉄観音茶を台湾で初めて栽培した「台湾茶発祥の地」で名を馳せているところから、茶藝館が増えていき、森の中の憩いの場所として市民権を得てきたのだ。
猫空站にゴンドラが到着。改札を抜けると、駅前の広場は三叉路になっていて、左側に屋台村が見える。左側の道を歩いていくと、しばらくは雑木林だが、10分ほどで山裾が開けて、茶藝館がたくさん現れる。『猫空間』(マオコンジィェン)のようなオープンカフェもあるが、それ以外はほとんどが茶藝と食事がでるお店になっていて、「雙橡園茶房(スァンシャンユェンチャーファン)」「四哥之店(スーガージディェン)」などがにぎわっていた。茶油で味付けした麵線、お茶の葉をまぶした炒飯、茶葉入りのスープなど、お茶をひと味利かせた料理がこの近辺のお店の定番であるが、最近は、各店オリジナル料理で競い合っている。
私のよく行くお店は、猫空站の三叉路のまん中の道を歩いて10分ほどの場所にある『春茶郷(チュンチャーシャン)』というレストラン。ここは展望もいいし、軟らかく煮込んだタケノコ料理や、土鶏(地鶏をじっくり煮込んで、お酒やゴマ油などで味つけしたもの)など料理も悪くない。が、中華料理は何かと一皿分の量が多くなるので、そんなときは「春茶郷」の向いにある『小木屋(シャオムーウー)』へ。パスタやピザなど洋食がメインなので、1人や少人数で行くときには便利。畳の間もあったりするので、ここで台湾茶を注文し、まったりするのも悪くない。
バスで下山することもできる。混んでいる場合などは、ミニバスの小10がこの近辺を周回しているので、これに乗っても下山できる。動物園か政大(ゼンダー)行きであれば正解。そこまで下りれば、また路線236のバス停に戻れる。
ちなみに路線236は動物園を出た後、豆腐料理が有名な街、「深坑(シェンコン)」のちょっと手前にある東南科技大学が終点。時間に余裕があれば「深坑」まで足を伸ばしてみてもいい。