【バス旅DATA】
路線:三重客運 藍38(捷運板橋站-樹林站)
乗車ルート・運賃:捷運府中站→板橋夜市 15元
所要時間:3時間(夜市散策含む)
※運航時間・運賃・路線は変更される場合があります。
【バス旅ポイント】
①とにかくバスを体験してみたい初心者におすすめ!
②ローカル気分を100%満喫!
③食がメインの夜市だが、服や雑貨、ゲームも充実!
⇒ 台北市バスの概要
行きたい夜市は湳雅夜市。でもバス停表示は板橋夜市?
台北市の南西にあるミッドタウン、新北市の板橋区。MRT板南線に乗れば手軽に行けてしまう。その板橋区にある湳雅夜市(ナンヤーイェスー)は、美食夜市として台北っ子の間でも知る人ぞ知る存在。台北市内からはMRT板南線の府中站まで行き、そこからバスに乗って2つ目のバス停・板橋夜市で降りる。MRT府中站からバス乗り場へは2番出口から出る。出口を出てすぐ左側に近未来的ガラス張りの橋が見えたらそのまま左折。少し行くとバス停だ。ここからは何本かのバスが湳雅夜市まで出ているが、バス停の表示は「板橋夜市」となっているので要注意。
しばらくすると藍38のバスが来た。念のため運転手に「湳雅夜市には行きますよね?」と聞いてみた。「はい〜」行くから早く乗って! と言わんばかりの返事が帰ってきた。そそくさと乗り込み運転手のすぐ後ろに立った。前方を見つめて、降りますボタンを押すタイミングを見計らう。すでに運転手は私がどこで降りたいのか知っているはずだけど、「降ります!」と降車ボタンをきちんと押したい気分でもあった。
ダントツ人気の麻油雞を堪能
車が行き交う道から夜市に向かう左側のわき道に曲がると、すぐ見えてきたのがタトゥーの店。そこでふと思い出したのは台湾ではタトゥーがかなりファッション寄りの存在であること。日本ではタブー視されていることも多いが、台湾ではファッションとしてタトゥーをしている人たちを多く見かける。特に夜市ですれ違う人たちは、カラフルでおしゃれなファッションタトゥーをしている人が多い。ほかにネイルの店もあった。さらに進むと、人だかりと湳雅観光夜市の看板が見えてきた。
規模としては大きくはないが、とても活気がある。メイン通りの左の列には何軒もの牛排(ステーキ)屋が立ち並ぶ。まずはこの夜市でダントツ人気の麻油雞をほおばることにした。鶏もも肉をごま油とショウガで炒め、お酒だけで煮込むこの料理は台湾の庶民料理の代表的存在。屋台奥のテーブルで食べられるが、満席だったので、どこで食べようかとキョロキョロしていると店のおばさんが寄ってきて「何人?」と聞いてきた。人差し指で「1人」と示したら「じゃ、あっち行って!」と隣の屋台に差し掛かったテーブルに案内された。ちょうど屋台の裏側にあたる位置で、隣を見ると麻油雞をお持ち帰りする人の列ができていた。その光景を眺めつつ、まだかまだかと待つ私のところへアツアツの麻油雞と麺線がやって来た。
料金は115元。ところが小銭を出したところ2元だけ足りない。後はお札しかなかった。少し焦る私におばさんは「もういいよ!」といった感じで手を振って、113元だけ持って慌ただしく戻って行った。小さい器に盛られた麺線を麻油雞の中に入れながら食べる。鶏のダシが十分に効いていておいしい。この料理は熱々をフーフーしながら食べるのがいい。食べている間にもどんどん人が増えてきて、空いていた目の前の席も、隣のテーブルも地元の台湾人でうまってしまった。
地元の人に聞いたおすすめは、カラッと揚がった臭豆腐
ほかの食べ物屋台へ行く前に、今食べた麻油雞を少し歩いて消化するため、メイン通りから横に延びる服飾街の方へ。これ、食べ歩きのコツ。子供服、メンズ、レディース、ジーンズに水着や靴、バッグなど、ありとあらゆる服飾雑貨が並んでいる。価格もかなりお値打ち。旅行や休日に着るようなカジュアルスタイルだったら十分使えそう。
広場があったので覗いてみると、カラフルな電動遊具があった。たくさんの子供とその親たちが楽しそうに遊んでいる。近くの店の人に「この夜市でおいしいものは?」と聞いてみると、「すぐそこにある臭豆腐がおすすめだよ!」と教えてくれた。メイン通りに戻ると、赤い看板に『小籠包・臭豆腐』の文字が飛び込んできた。「これだっ!」。さっそく店内に入り、メニューが書いてある紙に数量とテーブル番号を書き入れ、入口にあるカウンターに注文の紙を出してお会計。確保した奥の席に戻るとほぼ同時に臭豆腐が運ばれてきた。結構なボリュームだ。山のいちばん上から箸でつまみ食べてみた。揚げてあるが、まったく油っぽくなくカラッとしている。付け合わせの野菜と一緒にタレをつけて次々に口に入れあっという間に完食。店を出るとき、店のお兄さんにこの店はいつからあるのか聞いてみたら、別の場所から最近引っ越してきたそうだ。長年営業している老舗らしい。どうりでおいしいわけだ。
金魚すくいに、漢方の風味がクセになる藥燉排骨
あっさりした飲み物が欲しくなったので、西瓜汁(スイカジュース)を探す。メイン通りの真ん中より後半にさしかかってくるとゲームの屋台が増えてくる。輪投げやスマートボール、台湾式の麻雀もあった。なかでも気になったのが金魚すくい。「懐かしい〜!」と思いながら女の子が一生懸命金魚をすくっているのを観戦。ポイは紙が貼ってあるタイプのものだ。彼女はポイを水の中に入れすぎているので、すぐにでも破れてしまいそう。「もっとスパッと水の中に入れてすくえば上手くいくのに〜」。などと心の中で応援。私も挑戦したかったが、獲ったところで金魚を持ち帰ることもできないので、観戦で我慢し、再び通りを歩く。向こうに西瓜汁の旗が見えた。先に買っていた若者の後ろに並ぶと、おじさんはすぐに気づいて、「注文は?」と声をかけてくれた。人の熱気と暑さのせいで西瓜汁を受け取ると、あっという間に半分以上を一気飲み。
最後にもう一品食べてから帰ろうと独特な漢方の匂いのする藥燉排骨(ヤオドゥンパーコー)の店へ。身体を温める効果のあるスープなので冬に食べられることが多いが、漢方がたくさん入っているので、夏でも冷え性や栄養分を補うために食べられている。ひとつ頼んで座って待った。運ばれてきたのでお金を払い、スープに口を付けてみた。甘くて深い味、なんとも不思議な風味と香り。これを初めて食べたときは、ちょっと苦手だと思ったが、慣れてきたらたまに無性に食べたくなるクセになる味だ。身体にもいいしね!
楽しい生活雑貨屋
もう十分というくらい食べたので、最後は夜市の入口で気になった生活雑貨の店を探索することにした。『集寶 生活館』と『勝立生活百貨』の2つの看板。どちらにしようか迷って『集寶 生活館』に入った。見渡すとやけに広い、そして『勝立生活百貨』の入口も中から見える。実は別々の店のはずなのに、中でひとつの店になっていた。どういうこと? 謎を残したまま店内を散策。エアコンが効いていて涼しい。というか、しばらくすると寒いに変わった。エアコンの設定温度が低い南国・台湾ではよくあること。
店内には、生活雑貨全般とお菓子やキャンディーなどの食品、文房具やグリーティングカード類が置いてある。最近連絡を取っていない友達に手紙でも書いてみようと思い、カードを何枚かと、台湾元のお札が柄になったメモ帳を購入。日本人の旅行者にはあまり知られていない湳雅夜市だが、ローカル色満点でかなり楽しい夜市なので、絶対おすすめ!
※記事内の料金や店舗の情報は変更されている場合があります。